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第20回キナバル山国際クライマソン [トレイル・ランニング]

マレーシア・ボルネオ島で行われた第20回キナバル山国際クライマソンに参加してきました。富士山よりも高い4095mの頂上まで2000m以上の標高差を駆け上り、駆け下りる世界で最も過酷な登山レースと言われています。

レースは男子が一般と40歳以上のベテランの2部門、女子は一般のみで、9月30日にベテランと女子、翌10月1日に男子一般のレースが行われました。世界各地で行われるスカイランナー・ワールドシリーズ8戦の最終戦に当たり、欧米から世界トップクラスの選手が参加するレースです。(その内4戦目が日本で初めて行われた「おんたけスカイマラソン」です。)

私はベテラン部門に参加しました。ベテラン男子と女子が同時にスタート。男女合わせて150名程度で男女半々位。スタートラインに付いて周りを見回すと半分が女性。いつもの日本のレースと違い華やかな雰囲気がありました。1列目には世界を転戦している女子トップランナーが並ぶ中、私はずうずうしくもすぐ後ろの2列目からスタートさせてもらった。

 朝7時スタート。人数は少なくとも世界レベルの大会なのでみんな速い。スタートダッシュで最初だけでもトップ集団に付いて行こうとしたがみるみる離されてしまい、結局全体の3分の1程度の位置となった。コースの前半はしっかりと整備された登山道。木で階段が作られていたり、上りやすい石段になっていて高度を稼いでいきます。しかし単調な階段・石段が続き嫌になってきます。前後の選手との差を意識したり、周りの森林地帯に目をやり日本とは全然違う植生を楽しんだりしてな気分を変えました。

森の中に急に大きな山小屋ラバンラタが見えてきた。ここが頂上までの中間地点。高度は3000mを超えている。この先から一気に風景が変わる。森がなくなり、岩稜地帯に。草木が1つもない。道はなくなりロープが置かれていてコースを示している。傾斜がきつい所ではこのロープを握って登る。走る余地はなく歩く。傾斜のためか高度のためか歩みが遅い。息苦しくあえぎながら歩いて登る。折り返しのトップクラスの選手が上から駆け下りてきてすれ違う。速い。小さな点があっという間に大きく人間の形になり走り去って行く。すごいスピード。格好いい。まさにスカイランナー。自分も速く折り返しって思いっきり走りたいと思う。登りがきつくなり両手を使わないと登れない岩場が続く。ふと見上げると人が何人かいる。レースの係員のようだ。これが頂上?何となくあっけない頂上。付近は残念ながら霧で周りが良く見えない。でも頂上に立てた。嬉しい。2時間49分と係員に言われる。ここで記念撮影。

 

 これから下り。登りは走れないからこれから4000mの空の上を気持ち良く思い切り走ろうと思う。しかし実際には傾斜がきつく、足を滑らせたら命を落すかもという恐怖感もあり腰が引ける。後ろから地元の選手がテンポ良く追い抜いて行く。傾斜が急な所は蛇行して、真っ直ぐ下りられる所はスピードを落してなど、地元の人は走り方を良く知っている。彼の後を追うと少しスムーズに下れた。ぺっひり腰ながらこれで自分もスカイランナーだなどと思いながら走り下りる。 中間地点ラバンラタ小屋には頂上から1時間ちょうど。下りになると選手がばらけて前後にあまり人がいなくなり1人で走っている感じになった。地元の選手は下りに強いので何人かに追い越されたがペースが速すぎるので付いていけないのでまた1人旅が続く。レースを忘れジャングルの中を1人静かに走る贅沢・幸せを感じていた。でもレース中、ギリギリのペースで走らなければとも。 レースも終盤、スタート地点に到着。

ここからは舗装道の下り、ゴールまで2~3km。目標の5時間まで残り20分余り。5時間切れるか際どい。最後腰にひびくがロードを飛ばす。地元選手は山道は得意だが、舗装道は走らないので遅いようだ。ここで初めて2名の地元女子選手を抜かした。やがて右上に建物が見えてきた。もうすぐゴールか。看板が見えてきた。沢山の人が見えてきた。ゴールが見える。ついにゴールだ。ゴールテープが用意されている。テープを切る。完走メダルを首にかけられる。前後に選手がいないからまるで1位の選手のように迎えられる。嬉しい。時計を見る。4時間54分。5時間切れた。嬉しい。

 


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J-Skyrunner

キナバルクライマソンで検索したらブログに辿り着きました。
2005年、2006年と私もクライマソンに出ました。
スタートの写真に写ってた!
現地ではほとんどお話が出来ませんでしたが、
またどこかの大会でお会いしましょう!
by J-Skyrunner (2007-01-12 10:56) 

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