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キリマンジャロ登山 [山]

3日目の夜11時過ぎキリマンジャロ山頂へのアタックが開始される。周囲は真っ暗。星空が美しい。南を見ると南十字星が、反対に振り向くと北斗七星が煌めいている。赤道近くならではの贅沢だ。
ガイドのサイモンを先頭に僕が続き、その後に友人、最後にサブガイドのサムの4人である。急な登りをジグザグに登っているようだ。ライトの明かりだけなので周囲の様子がよく分からない。ただサイモンの後を付いて行くのみである。彼のライトは明るさが足りず僕のライトで彼の分も照らしている感じだ。最後のサムなどはライトすら持っておらず、友人の後ろにぴったりと付いて歩いている。

ギルマンズポイントまでの約5時間がつらかった。ゆっくりとだらだらと登り、暗くて先が見えず、いつ終わるとも分からない感じで歩き続ける。息苦しさは全く感じなかったが、寒さが厳しく感じた。スピードを上げれば少しは温まるのだろうがこの高度ではそれができない。結局もう1枚上下とも重ね着をした。
寒さだけの僕はまだ良かったようで、高度障害の出ていた友人はもっときつそうである。4人同時に歩いているが彼の苦しそうな息使いだけが聞こえてくる。それでも遅れることなく付いて来ている。暗い中ギルマンズポイントに到着。一応ここまでくればキリマンジャロに登ったということになる。しかし最高地点ではないのであくまで通過点として記念撮影だけして先に進む。ここから先はお鉢巡りのようで比較的なだらかな上りである。
しかし体のきつかった友人はもっと休みたかったようでその後のなだらかな道がかなりつらかったそうだ。
前方に明かりがいくつも揺れている。キボハットからは我々が先頭のはずなので別のルートからの人がもう頂上付近にいるようだ。さらに歩みを続けているうちに東の空がわずかに明るくなりそれがみるみる増してくる。頂上手前の振り返ると日が昇り始めている。地平線付近に雲があったが日の出も拝むことができた。それと共に急激に寒さも緩んできた。風もないので寒さを感じなくなった。緩やかな起伏があるのでどこが頂上であるか分かりにくかったが前方に人だかりが見えてきた。別ルートからは大きなグループで来ていたようである。そこには柱があり頂上だと分かった。

そして、ついに登頂。となったが頂上にいたグループに写真を撮ってくれと頼まれ、こちらも彼らにさっさと場所を明け渡して欲しかったのでせっせとカメラマンを務めた。今度は我々が記念撮影と思いガイドを呼び、友人を呼ぼうとしたが彼がいない。よく見ると10m位先にうずくまった彼がいた。彼はかなりつらかったようであるがなんとか4人で記念撮影。さらに記念撮影をしているといつの間にか彼は消えていた。前方を見るともう下山しようとしていた。後で聞くと一刻も早く下りたかったようだ。僕はもっと山頂でゆっくりとしていたかったが仕方ない、彼の方に向かった。
ギルマンズポイントに戻り今度は明るくなっていたので改めて写真撮影。上りの時は寒さでカメラの調子が悪かったので。ここで調子が悪かったのは友人。ふらふらの状態で荷物はガイドに預け、体も支えられるように下るしかなかった。辛くても高山病は下りないと治らないので仕方がない。良くこの状態で登頂できたものだと僕は感心した。僕はいたって快調で、砂地の所はサブガイドのサムと競争しながら走ってキボハットまで下りた。キボハットに着くと、給仕担当のダミアンが出迎えてくれ、お疲れさまと持っていた炭酸飲料を飲ませてくれた。今日はまだ下のハットまで下りないといけないが、キボハットに着いてキリマンジャロ登山は成功という感じであった。
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